- 読み仮名
- すいりけん
- 英語表記
- Water rights
水利権
概要
水利権とは、特定の目的のために、河川の流水を継続的に利用する権利である。
1.水利権が必要な理由
河川の水は、水道用水、工業用水、農業用水など、さまざまな目的で利用されている。

上流で大量に取水すると、下流で利用できる水が減少することがある。また、河川環境を維持するためにも、一定の流量が必要となる。このため、河川の水を利用する際には、ほかの利用者や河川環境に配慮し、取水する場所や水量などを調整しなければならない。
2.水利権と河川法
河川の水を取水するなどして利用することを「水利使用」という。河川法第23条では、河川の流水を占用する場合、原則として河川管理者の許可が必要とされている。
「流水の占用」とは、特定の目的のために河川の水を排他的・継続的に利用することである。その権利を一般に「水利権」または「水利使用権」と呼ぶ。
なお、地下水などの利用は、原則として河川法上の水利権とは異なる制度で扱われる。
3.水利権の内容と取水条件
許可水利権では、許可の内容や条件を定めた「水利使用規則」に基づいて取水する。主な内容は次のとおりである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取水目的 | 水道用水、工業用水、農業用水など |
| 取水地点 | 取水する河川と場所 |
| 取水量 | 最大取水量など |
| 取水条件 | 河川流量に応じた取水制限など |
渇水時には、許可条件による制限や利用者間の調整によって、取水量を減らす場合がある。
水利権は、必要な水量を常に確保できることを保証するものではない。
4.水利権の種類と既得水利権
水利権は、成立の仕方によって「許可水利権」と「慣行水利権」に分けられる。

許可水利権
河川法第23条に基づき、河川管理者の許可を受けて成立する水利権である。
慣行水利権
古くからの継続的な水利用が、社会的に承認され、権利として認められたものである。河川法上、改めて許可申請を行わなくても、許可を受けたものとみなされる。
既得水利権
新たな水利使用との関係で、すでに成立している水利権を指す。既得水利権には許可水利権と慣行水利権の両方が含まれ、新たな水利使用を認める際には、既存の水利用への影響を考慮する必要がある。

