- 読み仮名
- はいすいち
- 英語表記
- Service reservoir
概要
配水池とは、浄水場などから送られる水を一時的に貯留し、需要者の使用水量の変動に応じて配水量を調整する施設である。
適切な配水圧力を確保するとともに、施設事故や災害時の給水を支える役割もある。
1.配水池の役割
配水池は、一般に浄水場と配水区域の間に設けられ、浄水場から送られた水を貯留して需要者に供給する。

配水池には、需要変動を調整する役割に加え、送水施設の事故や災害などによって水の供給が停止した場合にも、一定量の水を確保する役割がある。
また、上水道では消火用水の確保も重要な役割の一つである。
2.配水池による水量の調整
水道の使用水量は、時間帯によって変動する。上水道では生活時間帯による変動があり、工業用水道では工場の操業状況などによって変動する。
配水池は、流入量と流出量の差を貯留量の増減によって調整する。

流入量が流出量より多い場合は、貯留量が増加して水位が上昇する。反対に、流出量が多い場合は、貯留水が使われて水位が低下する。
このように、配水池が需要変動を吸収することで、安定した配水が可能となる。
3.配水方式と貯留容量
配水方式
配水池からの配水には、配水池と配水区域の高低差を利用する自然流下方式が広く用いられる。
自然流下方式では、配水池の水位と配水区域の標高、管路の損失水頭などが配水圧力に関係する。
地形や必要な水圧によっては、ポンプ加圧方式を採用する場合もある。
配水池の容量
配水池の容量は、需要変動の調整に必要な水量に加え、施設事故や災害時の対応などを考慮して決定する。
配水池の総容量すべてが利用できるわけではなく、高水位(HWL)と低水位(LWL)の間の貯水容量を「有効容量」という。
なお、HH・LLなどは監視制御上の警報水位として設定される場合があり、有効容量を定めるHWL・LWLとは必ずしも一致しない。
日本水道協会の『水道施設設計指針2012』では、上水道の配水池の有効容量について、計画一日最大給水量の12時間分を標準としている。
ただし、実際の容量は施設条件や非常時の対応などを考慮して決定する。また、工業用水道に一律に適用するものではない。
4.配水池の構造と管理
構造種別
配水池には、主に次の構造形式がある。
| 構造種別 | 特徴 |
|---|---|
| RC造 | 鉄筋コンクリート造。矩形などの形状に対応しやすい |
| PC造 | プレストレストコンクリート造。円筒形の配水池に多く用いられる |
| 鋼製 | 鋼板やステンレス鋼板を用いた構造 |
| FRP製 | 繊維強化プラスチックを用いた構造 |
設置形式には、地上式、半地下式、地下式などがあり、地形や敷地条件などに応じて選定される。
運転管理・防災設備
配水池では、水位や流入・流出量を監視し、適切な貯留量を維持する。
代表的な設備は次のとおりである。
| 設備 | 主な役割 |
|---|---|
| 水位計 | 水位の監視、貯留量の管理 |
| 流量計 | 流入量・流出量の計測 |
| 緊急遮断弁 | 災害時の流出防止、貯留水の確保 |
水位計の故障に備え、電極式水位検出器によるバックアップや、水位計の二重化を行う場合がある。
緊急遮断弁は、地震動や異常流量などを検知して自動的に閉止する設備であり、必要に応じて配水池の流出側に設けられる。
維持管理
配水池では、水質の維持や設備の健全性を確保するため、定期的な点検・清掃を行う。
内部点検や清掃の際にも給水を継続できるよう、複数池・複数槽への分割などが考慮される。また、必要な水量と残存水頭が確保できる場合には、配水池を経由せずに供給する直送バイパス管を設ける方法もある。
水質管理では、水の滞留や沈殿物の蓄積に注意する。上水道では残留塩素の管理も重要である。

